そんなエントリーがあったので、書いてみる。
この質問、私は10代の時から持っていました。高校時代、内緒で近所の居酒屋でバイトをしていたんだけど、
そこのお客さんたちが、まさしくそれ。
バイトの私に子供の写真を見せたり、家族旅行に行った話しをする。
円満じゃないですか。
なのに、男たちは終電を待つようにして帰る。
居場所がないとかじゃないんだよね、きっとって思っていた。
そして時は過ぎ、私も社会人になった。
そこでも「家庭円満なのに家に帰りたがらない男たち」がうじゃうじゃいたのだ。
帰る人は頑なに帰るのだ。
なんで?そこまで?っていうくらい帰るのだ。
でも、帰らない人がいる。
また、時は過ぎ、水商売と言われる職種をやってみたことがあった。
ここには「帰りたくない」人の巣窟でした。
「家なんて大嫌い!」と全身で言う男たちの集まりでした。
で、また時は過ぎ、…。
「帰りたくないんじゃない、帰れないんだ」っていう人がいることに気づきました。
この話を馴染みのスナックのママに話してみた。
「あのね、自分でやっていてこういうのもなんだけど…」
「男は立ち小便をしないと帰れない生き物なの」
「おうちでしたらいいんだよ。でもね、お家で出来ないししたくない」
「そこには責任があるからね。ここならこぼしてもふってもいいじゃない」
「だから、ここで立ち小便をするのよ」
「ここは怒られないし、自分が夫で父でなんて考えなくていい」
「男はね、つねになんかの冠をかぶっているんだよ。」
「だから、何者でもない何かになるために来るのかもね」
なるほど、納得でございます。
それが
「とにかく「立場」のない世界に居たいとの言い分だった。」になるのか。
スナックで相手にされていないおっちゃんなんかが、
「おれの会社は!」「おれの仕事は!」って吠えていますもんね。
せっかく冠脱ぎに来ているのにね。
帰ってもいいけど、帰りたくない。
ちょっと寄り道したら、すっきりして、また何かの冠をかぶって帰れる。
そんな場所が、居酒屋とかスナックならいいよね、まだ。
・・・それを素人のおねえちゃんに求めちゃったりしちゃった日には…。
「もしかしたら私のものになるんじゃない?」なんて勘違いした子が
「奥さんと別れないんだって!なんで!」って…
悲鳴のような電話をかけてきて頭が痛いです……。